クロ・ド・メ / フルーリー "ラ・ドット"2020
土壌はサプロライトと呼ばれる砂利(じゃり)を含む、ピンク色を帯びた花崗岩。最低 3 年間熟成。1 年目は半分をステンレスタンク、半分を樽熟成。2 年目にステンレスタンクでブレンドして熟成。瓶詰の後さらに 1 年熟成させて、早くとも 3 年後に販売。ワイン名の”Dot”はフランス語で「持参金」。マリーの祖母が結婚した時にこの畑をもって嫁いできた由来のある、家族にとって大事な畑。アロマはスミレやバラの花の香り豊かでスパイスやクルミの香りも現れます。
当主は生粋のパリジャン Marie-E(マリー=エロディ)。母方の実家がボジョレに畑を所有していたことから幼少期にバカンスでフルーリーを訪れ、その土地に深く感銘を受けます。祖母が亡くなった時、ボジョレの地に強烈な思い入れを持っていた彼女は、祖母が所有していたモルゴンとフルーリーの畑を売らないで欲しいと両親へ懇願し、15歳という若さでワイン生産者になることを決意します。2000 年に BTS(醸造責任者コース)を卒業し、さらに国立モンペリエ大学でエノローグの称号を取得。その後現場で経験を積むためにブルゴーニュのクロ・ド・ヴージョにあるシャトー・ドゥ・ラ・トゥールで研修生として働いている時、コンサルタントを務めていヴォーヌ・ロマネの名門コンフュロン・コトティド氏と出会って結婚。2006 年にフルーリーとモルゴンの畑を引き継いで Clos de MEZ を設立して以降は、ボジョレ(ワイン造り)、ボーヌ(醸造学校の教師)、ヴォーヌ・ロマネ(子育て)、の 3 つの拠点を行き来しています。
ドメーヌ設立後、まず土壌の品質改良に励みました。殺虫剤や除草剤を使わず活きた土を取り戻すまでに 10 年の時間が必要だったそう。ようやく 2016 年に有機栽培に切り替え、2018 年ヴィンテージより EU の有機認証「ユーロリーフ」を取得。醸造は、手摘みで収穫したブドウを数日間の低温浸漬後、2~3 週間アルコール発酵を行います。その後 40~50%を樽、残りはステンレスタンクで 9 ヶ月間熟成。ステンレスタンクでブレンドした後 12 ヶ月間待って瓶詰。さらに
収穫年の特徴が出るまでもっと時間が必要と考え、瓶詰め後 1 年間カーヴで熟成させます。3 年の時を経て成熟したワインへと変化したら、ようやく出荷するというこだわりぶり。
彼女のワインが旨味に溢れ芳醇である秘訣は、こうした熟成の長さにあります。
ガメイ品種もボジョレの土地も、高いポテンシャルを持っていると確信してワイン造りを始めたマリー=エロディ。「本来ガメイは、ピノ・ノワールのような繊細さと力強さや豊潤さを兼ね備えている。ボジョレではテロワールを表現した素晴らしいワインを造れるはず」という信念を持っています。彼女のピュアで高いクオリティのボジョレは感動を覚えるほど。芳醇で美食家のためのボジョレです。
ボジョレー ガメイ 赤