ヴァルテル・デ・バッテ / カラッツ・2021
収穫後、除梗し果皮と共に 4 日間、醗酵が始まり途中で圧搾。ステンレスタンクに移し醗酵。2021 年は糖度、凝縮も高く、完全に醗酵が終わるまでに 5 カ月を要した特 殊なヴィンテージ。そのままオリと共に 12 か月の熟成。ヴェルメンティーノの持つ柔らかい果実味と豊かな香り、ヴォリュームを感じつつも繊細で美しい酸と柔らかみ。そして全体に感じる海由来の塩味とミネラル。決して平坦ではない立体的な味わいを持ったヴァルメンティーノ。
トスカーナ州、カッラーラに隣接する海岸に近い砂質の畑。DOC でいうColli di Luni コッリ ディ ルーニのエリアにあるヴェルメンティーノより造 られるカラッツ。一般的なブドウのイメージでいえば、果実味が豊かでアロマティックな印象。しかし、ヴァルテル曰く「それはあくまでも豊かな土壌で 栽培されたものでしかない。海の潮風と、砂の多い土壌。決して豊かとはいえない環境で、樹齢50年を越えるブドウ樹より収穫された高密度のヴェルメンティーノは、単なる横の広がりだけではない、奥行きや繊細さ、複雑さを持ったワインになる。」 その言葉の裏付けともいえる今回の 2021 ヴィンテージ。天候に恵まれたものの、近年続いている水不足の影響で、想定以上に結実が少なく、 非常に凝縮したヴィンテージ。しかしながら、収穫したブドウは決して過剰な糖分の凝縮ではなく、酸を失わずバランスの取れた状態。そしてさらに驚くべきは、醗酵が完全に終わるまで 5 カ月もの期間を要したというヴィンテージ。「これは意図して行ったワケではないけれど、高い糖分だけでなく酸も落ちることなく収穫ができた。そして秋以降の気温の低さ、完全に醗酵が終わることなく、非常にゆっくりと続いた。それは結果的に、ワインにより複雑さと奥行き、立体的な味わいを持つことが出来た。」そう話すヴァルテル。
ヴェルメンティーノの持つ柔らかい果実味と豊かな香り、ヴォリュームを感じつつも繊細で美しい酸と柔らかみ。そして全体に感じる海由来の塩味とミネラル。決して平坦ではない立体的な味わいを持った2021。チンクエ テッレとは異なるルニジャーナの個性を十分に持った、ポテンシャル秘める味わいです。
イタリア リグーリア 白 ヴェルメンティーノ